少数与党である自民党・公明党と野党との協議の末、年収の壁が引き上げられることになりました。これは、昨年12月に決定した税制改正大綱を修正するもので、最近では珍しいケースとなります。
当初の税制改正大綱では、所得税における基礎控除を一律10万円引き上げるという内容でした。ところが、国民民主党の強い反発もあり、最終的には公明党案である、課税最低限を160万円に引き上げる案を採用することになりました。具体的には、基礎控除が以下の通り、引き上げられることになります。
年収 | 基礎控除引き上げ | |
大綱 | 修正案 | |
~200万円 | 10万円 | +37万円 |
200万円~475万円 | +30万円(2年間限り) | |
475万円~665万円 | +10万円(2年間限り) | |
665万円~850万円 | +5万円(2年間限り) | |
850万円~ | 修正なし |
令和6(2024)年分と比較した場合の、1年間の減税額はおおよそ以下の通りです。
年収 | 減税額 |
200万円 | 2.4万円 |
400万円 | 2.0万円 |
500万円 | 2.0万円 |
800万円 | 3.1万円 |
1000万円 | 2.1万円 |
1200万円 | 2.4万円 |
※独身(40歳~64際)の人で、賞与なしの場合
いずれの年収水準でも、減税額は小幅にとどまります。さらに、年収200万円以上の人も、基礎控除の引き上げはわずか2年で終了する予定なので、果たして経済効果はあるのか、疑問が残るところです。
なお給与所得控除は、令和7年度税制改正大綱によれば、以下のように改正されます。
給与収入 | 給与所得控除 | |
2024(令和6)年分 | 2025(令和7)年分 | |
162.5万円以下 | 55万円 | 65万円 |
162.5万円超 180万円以下 | 給与収入×40%-10万円 | |
180万円超 190万円以下 | 給与収入×30%+8万円 | |
190万円超 360万円以下 | 給与収入×30%+8万円 | |
360万円超 660万円以下 | 給与収入×20%+44万円 | |
660万円超 850万円以下 | 給与収入×10%+110万円 | |
850万円超 | 195万円 |
また、19歳以上23歳未満の子を持つ親の所得税計算において、令和6年分まではその子がアルバイトなどで103万円以上の給与を得た場合、扶養控除を受けられなくなり、子の働き控えが問題視されていたことから、令和7年分以降は、その基準が150万円に引き上げられることになりました(特定親族特別控除)。また、子の給与が150万円を超えてしまったとしても、扶養控除が一切受けられなくなるということもなくなり、少しずつ扶養控除の金額が減少されるようになります。
詳しくは、速報!令和7年度税制改正大綱 要点解説のページをご覧ください。